あふれる、想い

―ren―


昼休みになると辻が来てくれるのに
何なんだよ


猫撫で声を出してくる同じクラスの田端


「ねぇ~岡野って彼女いないんだよね?
私と付き合わない?」


「俺、彼女いるし」


ってか触んなよ


「またまた~
ね?付き合おうよ」


「嘘じゃねーし」


「じゃあ誰なのよ?」


「隣のクラスの辻だけど」


「えぇ~辻って辻愛結花って子?」


「おう」

何でそんなに驚く訳?


「辻さんって超普通じゃん
美知のが可愛いよ?」


はぁ?
何だこいつ!!


「俺が辻を好きなんだよ
辻は可愛いし良い所もいっぱいあるんだ」


何も知らないくせに言うな

俺は冷ややかに冷静に答えた


「あっそ
もう良いわ
つまんないの~」


何なんだよったく


しかし、辻遅いな~

教室を見渡すと原田はもう来てるのに
辻がいない


「原田~辻は?」


「へっ?一緒に来たけど?!
ってか私ら先行くね?」


一緒に来たなら…もしかして聞いてたのか??

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