あふれる、想い
―ayuka―

岡野君を迎えに来ると
同じクラスの田端さんに言い寄られてた

はっきりと彼女って言ってくれて嬉しかった

なのに…超普通じゃん


そんなの私が1番わかってるもん


私は岡野君の教室を飛び出して
反対側の隣の教室に向かった


向かった先にはお弁当を広げてる
菜々と麻紀ちゃん


「菜々っ!!!」


「ああゆぅ~?どしたの??」

驚く菜々を無視して会話を続けた


「メイクして!!」


菜々はすっごいメイクが上手くて
時々、周りの子にもしてあげてる


「どうしたの…急に」


「超普通って言われた~」


「はっ?誰に??」


「田端美知」


「あぁ誰とでもネル田端ね」


そうなんだ


「じゃあまず顔洗っておいで」


顔を洗いに行って菜々の元に戻った


菜々が椅子に座るように言ってくれて
座った途端、携帯が震えだした

…岡野君だ


『もしもし、辻?』

「後から行くから先に
屋上に行っててくれるかな?」

『わかった…今どこ?』

「友達の菜々のとこ」

『じゃあ待ってるから』


「愛結~いつの間に彼氏?」


菜々がニヤニヤして聞いてくる


「岡野君だっけ…あの人?」

「何で麻紀が知ってて私が聞かされてない訳~」

「たまたま見かけたんだよ、ね?」

「うん」

麻紀ちゃんが慌ててる

「まっ良いや
じゃあメイクするからこっち向いて」


「じゃあ私は髪してあげる~」


麻紀ちゃんの実家は美容院で
麻紀ちゃんも将来美容師になりたいらしい

だから、いつもお洒落なんだね

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