あふれる、想い
―ayuka―
上條が友達でいて欲しい
そう言ってくれて嬉しかった
私からは言えないって思ってたから…
上條の気持ちが切なくて
苦しかった
でも…上條を抱きしめてあげれるのは
…私じゃない
一度は好きになった人
悲しんでる顔は見たくない
偽善かもしれない
情かもしれない
キューッと胸が切なくなった
でも…私が1番好きなのは岡野君
この気持ちだけは揺るがなかった
そういう気持ちになれたのは
岡野君がくれた気持ち
優しさ…その温もりを知ってるから…
私はトイレで顔を洗った
泣きすぎて崩れちゃった
やっぱり私には大人っぽいメイクは無理だね
いつものナチュラルメイクが合ってる
本当は…鏡に写る自分が嬉しかった
こんな自分もいるんだって
楽しかった
でも…岡野君が見てくれないなら
意味がないもん
好きな人には可愛いって思われたい
言われたい
言って貰えなかったし
どうすれば言ってくれるかわかんないけど…
いつかは言って貰えると良いな
そう思いながらトイレのドアを開けた