あふれる、想い
―ren―

走って走って探し続けた


居た!!


やっと見つけた


辻は女子トイレから出てきた


俺は駆け寄って何も言わずに抱きしめた


「えっ?えぇぇ??」


辻はすっげー驚いてる


「探したし…めちゃくちゃ探した」

「…ごめんね」

「何で携帯も出ねーんだよ」

「ごめん…携帯カバンの中」

「携帯の意味ねーし
ちょっとこっち来て」


俺は告った空き教室に来た

この教室は鍵がかかってない


だから、教室内に入った


俺は真っ直ぐに辻を見つめた


「化粧落としたのか?」


辻は悲しそうに笑った


「似合ってないから…」

「そんな事ない!!
すっげー可愛かった」

「…そんなに気遣ってくれなくていいよ」


いつもなら素直に受け取ってくれるのに…

受け取れないように俺が苦しめた

だったら…言うしかねーよな

< 70 / 290 >

この作品をシェア

pagetop