あふれる、想い
「気なんか遣ってねーよ
まぢ可愛かった
だから…上條が…他の男が辻に
近づくんじゃねーかって嫌だった」
辻が驚いて目を見開いてる
くっそー恥ずかしい事言わすなよ
そうだ
ただの独占欲
誰の目にも触れさせたくなかった
「すっげー可愛かったけど
俺は普段の辻も可愛いと思うし
俺が好きになった辻は普段の辻だ
どれだけ俺が普段
愛結花の事可愛いって思ってるか気づいてないだろ」
あぁまじで顔から火が出そうなぐらい恥ずかしい
ってか何でこんな事言わなきゃなんねーんだよ
でも、辻も茹蛸みたいに真っ赤になって
瞳を潤ませながら笑ったんだ
まぁこんな顔を見られたなら良いか
目が合った瞬間、辻が抱きついてきた
「初めて愛結花って呼んでくれた~」
喜ぶところそこかよ
「何度でも呼んでやるよ」
俺は耳元で『愛結花』と
愛おしい君の名前を呼び続けた
「…おっ」
おっ?
「…蓮は私がどれだけ
蓮が好きなのか知らないくせに」
やっべ~
まぢで名前呼ばれるって嬉しい
すっげーすっげー嬉しいんだけど!!
俺は辻…じゃなかった
愛結花を抱きしめた
「愛結花だって俺が
どれだけ好きなのか知らないくせに…
上條に連れ去られたかと思った」
愛結花の肩がビクッと震えたのを
俺は逃さなかった