あふれる、想い


私は上條との事を話した

抱きしめれた事だけを省いて

なるべく簡潔に…


「ふ~ん
友達にね~…」


遠くを見つめながら厳しい目線を向けてる


「愛結花はどうしたい?」


私に優しい微笑を向けてくれる

きっと…感情を隠してる

いつも1番に私の事を考えてくれる蓮だから…


本当は友達でいたい

でも、それが蓮を苦しめる?


「…ぎくしゃくするのは嫌かな」


そういうのが精一杯

完璧にテンパった


「じゃあ友達で良いんじゃね?
俺は絶対に愛結花を渡す気はねーし
上條だって完璧に
感情がなくなった訳じゃねーと思う
近寄らせたくないとも思うけど
俺は愛結花を信じてるから…」


「…ありがとう
私の心を揺るがす事が出来るのは
蓮だけだよ」


本当にそう思う



最初は蓮が好きになってくれた

他の子を好きな上條が好きで好きで
苦しくて切なかった

それだけ辛い思いをしても上條が好きだった

他の人なんて想えないって思ってた

でもそんな辛い時でも支えてくれて
優しさを…強さをくれたのは蓮だった


上條が好きだって言ってくれて揺れ動いた


それでも…私が欲したのは蓮の心


最初は戸惑った


上條が好きだったから

…蓮への気持ちに気づいてなかった


私の心を温かくしてくれる蓮


「大好きだよ」


「俺も」


蓮が優しく抱きしめて
触れるか触れないかぐらいの
キスをしてくれた

唇と唇が一瞬重なっただけ


でも、気持ちは届いたよ

私の気持ちはちゃんと届いた?

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