あふれる、想い
―ren―


友達?!

有り得ないだろう

絶対、上條は辻の事を諦めてない

同じ女を好きだからわかるんだ


理屈じゃねー






本当は話もするな

上條を見るな

同じ空気も吸うな


そう言いたいけど

俺がそう言えば…

愛結花は本当にそうしようとする


して貰いたい


だけど…きっと…

愛結花は苦しんで自分を責める


だから、良いんだ


それに絶対、上條には愛結花は渡さない


いや、他の奴でもだ



愛結花といると自分でも知らなかった
自分に気づく


本当は心が狭い小さい男


でも愛結花を想う気持ちだけは

でっかくて

大きくて

誰にも負ける気がしね~



愛結花が嫌だって言っても

絶対に離してやるもんか


「大好きだよ」


「俺も」


愛結花を優しく抱きしめて
触れるか触れないかぐらいの
キスをしてくれた

唇と唇が一瞬重なっただけ


愛結花の気持ちが届いた

俺の気持ちもちゃんと届いてるよな

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