あふれる、想い
―ayuka―


今日は初めて蓮と私服デート

映画に誘われたんだ


すっごく嬉しくて昨日はなかなか眠れなかった


何を着て行こうか

悩みに悩んで

服を選ぶだけで1時間以上かかった


鏡の前で合わせては悩み…


私が選んだのは


レースが胸元に付いたキャミソールと

デニムのミニのプリーツスカート


背が高い蓮に合わせて
ヒールがついたミュール


はぁ…2人で会うのは初めてじゃないのに

初めて私服を見せる

それだけでドキドキする


変って思われないかな

可愛いって思ってくれるのかな


あっ…大変


もう出かけなきゃ


待ち合わせに10分早く着くように
慌てて家を出た



待ち合わせ場所

私は時計を見合わせた


12分前


なのに…もう蓮は待っていた

慌てて駆け寄ると大好きな蓮の笑顔


「待たせてごめんね」

「俺が早く着いただけだし」

いつから待っててくれたんだろう…


蓮は淡い水色のタンクトップにチェックのシャツ
ジーンズと至って普通の服装なんだけど
着崩し方とかがさり気無くお洒落で
思わず見入ってしまった

すごくカッコいい…


「行こうか?」

「あっ…うん」

蓮の隣に並んで歩きだした


ちゃんと私の歩幅に合わせてくれる


そのさり気無く優しいところは
最初から何一つ変わってない


私は嬉しくなって微笑んだ

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