チャラい×真面目=事件!?
そんな軽く生きてきた自分を、これほど否定したかったことはない。



「上郡。」



上郡を追ってきた午戸兎が声をかけるも、上郡は色平を見つめたままだ。



「自分を責めるか?それもいい。お前が真面目にしていれば結果は違っていたかもしれんからな。仕事に対しても、色平に対しても、な。」



午戸兎の辛辣な言葉。


今の上郡には全てが事実、返す術が無かった。



もしも………、なんて有りはしないのに、何故考えてしまうのだろうか。



「戌籏とさみは現場に向かった。俺達も行くぞ。」



午戸兎は捜査の為、現場に向かおうと上郡を促すが、上郡は微動だにしない。



「………上郡。人生の先輩として一つ言っておく。どれだけ想ったって、怪我は治らん。どれだけ後悔したって、現実は変わらん。どれだけ完璧にしようとしたって、失敗する時はする。だがな、良い方向にも悪い方向にも、人間は賢い。それをどう活かすかは、己次第だ。変わる気があるなら来い。何処までも面倒ぐらいみてやるさ。」
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