チャラい×真面目=事件!?
「上郡くん、いい加減退いてあげて。その資料、結構重いのだから。」


「そうよ。邪魔、役立たず、迷惑極まりない。視界から消えて。」



色平と上郡の声が聞こえた様で、部屋の中から2つの声がした。



上郡を注意したのは、戌籏(イヌハタ)。

一課のお局的存在だが、嫌味な感じは一切しない優しい先輩だ。


一方、上郡に色平以上の毒舌を浴びせたのは蠍髪(サソリガミ)。


3ヶ月前に一課へ配属になったキャリアで、現在警部補。



名前が長く可愛くないと言って、皆にはさみと呼んでもらっている。



「分かりました。ほら、半分貸せ。」


「ありがとうございます。」



「つか、さみ!なんなんだ、その3段活用みたいな言い方は。しかも、全部悪口じゃねーか!」



「悪口だけど、それが何か?」


「開き直るな!」



戌籏が言う通り見た目以上に重い資料を半分ずつ持ちながら色平と上郡は部屋に入る。


上郡は蠍髪へ文句を言ったが、あっさり開き直られ効果はなかった。
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