チャラい×真面目=事件!?
雨が浚ったのは、土か、罪か
この日は、全国的に明け方からバケツをひっくり返したような雨が降って、風も強く吹いていた。



「うへー、びしょ濡れ~。さみ、タオル!」


「はぁ?それくらい自分でやりなさいよ。私、上郡の召し使いじゃないし。」



出勤……いや、家の玄関から出た瞬間から濡れていた。


それほど酷い雨と風だ。



因みに、出勤時殆ど濡れていなかったさみは、カッパを着て傘をさすというとても合理的な方法で出勤した。



「もう……。さみちゃんは相変わらず、上郡くんには厳しいんだから。はい、タオル。」


「ありがとうございます。戌籏さんはやっぱ優しいなぁ~。どっかの誰かさんとは大違い。」


「なんですって!?」



「鬱陶しい雨の日に、鬱陶しい会話をするな。」



「「す、すみません………」」



午戸兎は呆れたように、下らない会話を止める。


色平が襲われたあの日以来、捜査に対する上郡の態度は見違える様に変わった。



しかし、日常に関してはご覧の通りだ。


流石に、ナンパ的な言動はしていないが。
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