チャラい×真面目=事件!?
「威勢の良い子ね。そんなんじゃ、男は逃げるわよ。でも、面接に来たっていう感じじゃないわね。何の用かしら?」



蠍髪の毒舌もサラリと流す大人の態度は、伊達に夜の世界で生きていないということか。



「私は警視庁捜査一課の上郡です。こっちは蠍髪。この写真の女性がこちらで働いていたとの情報がありまして……ご存知ないですか?」



隣で顔を引きつらせている蠍髪を無視して、名乗りながら警察手帳を見せた後、写真を示す。



「あら、ミヤちゃんじゃない。」


「やっぱり、ご存知ですか?!」


「ええ。名前は確か………街狐!猫笹街狐よ。」



諳鷲のママ、鶇(ツグミ)により被害者の名前が判明した。



猫笹街狐(ネコサザ マチコ)

源氏名は、幼少より呼ばれていたあだ名のミヤ。


今年で三十路を向かえるらしい。

大学を卒業したものの、新卒で就職した会社を一年も経たずに退職。


その後は職を転々としていたが、数ヶ月前に諳鷲へ来たらしい。



鶇の言い方があやふやなのは、素性を語らない・探らない、がこの業界の特有らしく、街狐との日常会話からの推測によるものだからだ。
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