チャラい×真面目=事件!?
「色平さん、本当にごめんなさい!」



「頭を上げて、亥植さん。貴女のせいじゃないよ。」


「ありがとう。それ、午戸兎さんにも言われました。」



「良い上司でしょ?」


「うん。とっても。」



笑い合う2人。



亥植は、色平の病室へと赴いていた。


戌籏より、色平の意識が回復したと聞いたからだ。



「でも、記憶喪失なんて………よっぽど強い力だったのね。」



包帯の巻かれている色平の頭を、亥植は労る様に優しく撫でる。



「気にしないで。あ、そうだ。あの辺どう?私が寝ている間、事件起きてない?」



「起きてないよ。まだ現場保存されているし、前々からあった住民からの取り壊しの要望なんだけど、通りそうなの。区長も残忍な事件だって思ったみたい。現場保存が解かれて許可が下りたら、正式決定が出るって。」



「そう。良かった!」



「それに、街灯も設置するそうよ。」


「あの辺、暗すぎるもんね。」



事件は起きない方が良いが、起きてしまった時、その後どうするかがとても大切だ。


区長の決断と住民の行動が、あの倉庫周辺の未来を変えたといえよう。
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