チャラい×真面目=事件!?
「上郡さん。もう戻って大丈夫ですよ。張り付いていなくても、大人しくしときますから。」



犯人への手掛かりを思い出し無理した自覚があったので、後は療養するから心配しなくてしなくていいと告げる。



「(世の中に、俺の言葉が届かない人がいるなんて……)」


「上郡さん?」



色平は呼び掛けるが、自分の世界に入ってしまった上郡には聞こえていない。



「色平。結婚前提なら付き合うってことだよな?」


「まあ……はい。」



突然尋ねられた意味は分からないが、考えはその通りなので一応答える。



「よし!(言うしかねぇな!)」



上郡は、気合いを入れながら立ち上がる。



「色平!好きだ。結婚を前提に俺と付き合って下さい!警察は辞めなくていい。俺の人生には色平が必要なんだ。だから、色平の人生にも俺が必要だって思ってもらえるように頑張るから。まず犯人逮捕してみせるから。絶対好きと言わせてみせるから!」



「…………………え?」



返事も何も聞かずに、言うだけ言って上郡は帰って行った。



部屋に一人残された色平は、言われた言葉を理解するのに時間がかかった。
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