チャラい×真面目=事件!?
ケアレスミスには要注意
「あっ、チュウくん。お疲れ様~」


「お疲れ。ってゆうか、本当に疲れたよ。」



亥植が苦労を労ったのは、向鼠(ムネズミ)という男。

亥植の同期で、爽やか好青年と評判で性格も穏やかな生活安全課きっての優男だ。



名前の向鼠からチュウ(鼠の鳴き声)と親しみを込めて呼ばれ、先輩同期後輩問わず仲が良い。



そんな感じなので、よく違う地域や部署の応援に駆り出されている。


今も、いくつかの応援に出向いて帰ってきたばかり。



「でも、課長も凄く助かってるって言ってたよ。チュウくん優しいから。はい、お茶。」


「ありがとう。そう言ってもらえると、やりがいあるなぁ。」



そう言ってニコニコ笑う向鼠は、凄く嬉しそうだ。



「あ、そうだ。他の部署の人達が話しているの耳にしたんだけど、刑事課の人が襲われたんだって?」


「そうそう。たまにここに来る色平さんっていたでしょ?その色平さんが襲われたの。不審者の通報があって、この間まで警ら対象だった暗い倉庫の周辺で。」



刑事事件とは管轄が違い、尚且つ応援で署内の騒ぎを知らない向鼠は尋ねる。
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