チャラい×真面目=事件!?
「その……色平さん?亡くなった……とか?」



「ううん。それは大丈夫。刑事課だとすぐ生き死にを想像しちゃうよね。今は病院に、ほらこの前課長が盲腸で入院したとこ。そこに入院してるんだけど、意識もあるしもう大丈夫だって。ただ、怪我が酷くて………襲われた時の記憶だけ、思い出せないんだって。」



凶悪犯罪を常に扱う刑事課は死が身近だ。

それが頭にある為、刑事課以外の人間の思考回路はすぐ死に結び付いてしまうのだ。



「…………………、そっか。それは気の毒だね。殴られて刺された上に、階段から落ちたらそうなっても仕方ないよね。」



「警らが解除された途端にこれよ。世の中どうなってるんだか。」


「全くだ。」



亥植は向鼠に、これまでの事を色々話し、向鼠も気になるのか真剣に聞き討論していた。


課長が仕事しろと、言いに来るまで。



世の中にあるほんの一部の混沌が、これ以上広まること無く消滅してくれたら……………



残忍な事件が起こる度に、街中の人達に一番近い生安課に所属する亥植と向鼠は、そう思わざるを得なかった。




不審者がいなければ、色平が襲われることも無かったのだから。
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