チャラい×真面目=事件!?
「これで色平、何か思い出せたら良いんだけどな。」



似顔絵を持って、上郡は病院に向かっていた。



やっと掴んだ手掛かり。

事件現場に行った時の様に、少しでも何か思い出してくれたら。


無理は禁物だが、事態が進展してくれる様にと似顔絵に思いを託す。



ブーブー………ブーブー………



「はい、上郡。どうした、さみ?」



携帯のバイブが鳴る。

相手は、先程諳鷲から別れた蠍髪からだった。



「あんた、今どこ?!」


「ど、どこって……色平の病院向かってる途中じゃねーか。知ってるだろ。」



何を分かりきっていることを。


出るなりいきなり言われた蠍髪の言葉に、上郡はそう思う。



「急いで!色平さんが危ない!」



「はぁ?色平が危ないってどういうことだよ?」


「説明は後!犯人が色平さんの病院に向かってるかもしれないの!だから早く!」



「お、おう!分かった!」



上郡には何がなんだか分からなかったが、蠍髪の慌てようでただならぬ事態だと判断し、とにかく急いで向かう。



理由はどうであれ、色平が危険だと言われれば、上郡には選択肢は一つしかないのだから。
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