チャラい×真面目=事件!?
「(こ、こ………どこ…?)」



階段を下りて外に出るはずが、下りきったところで方向を間違えたらしい。



薄暗い広い空間には、椅子が並んでいる。



「(待合室…………)」



そう、ここは外来患者用の待合室。


今は時間外の為、非常灯しかついておらず、出入口のシャッターも降りている。


病院内の地図を把握はしていたが、意識が朦朧している今の色平にとってはここが外来待合室だということしか認識出来ない。



「はぁ……………はぁ……」



椅子に凭れかかり座り込む。


呼吸が浅く短い。

このままだと危険と分かっていても力が入らず、色平は動けなかった。



コツ……コツ………


コツ……コツ……



足音が近付いてくる。



「(!…追い、付かれた………、っでも………)」



動けない――――――。



コツ………コツ………


コツ………コツ………


コツ



「………………。」



色平を見下ろす人物。


病室での乱闘で、ヘルメットは脱げていた。

しかし、逆光で顔は見えない。


「(こ、こ……までか………)」



色平が覚悟を決めたと同時に、刃物が降り下ろされた。
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