チャラい×真面目=事件!?
「ったく、滅茶苦茶するな。」



向鼠の戯れ言をこれ以上聞いても仕方ないので、パトカーへと連行させた。



「ですよね!色平血塗れだし、あいつ最低だし!」



「……違う、お前ことだ。病院の備品、滅茶苦茶にしやがって!」



「あ。」



そこら中に散らばっている備品。


上郡が向鼠にぶつけたのは、外来患者用に設置してあった備品が入ったキャスター付きのワゴン。


ぶつかった衝撃と乱闘で、もう使い物にならないのは明白だ。



「すんません………つい、夢中で。」



アハハ……と乾いた笑いで誤魔化す。



「まあ、仕方ないわね。色平さんの為だもの。」



「戌籏さんっ……!」


「今月のお給料から天引きにしたら?」


「それは良い考えだな。」


「ですね。」



「ちょ………!!そりゃないですよ~」



助け船が出たと思ったら、すぐに沈んでしまった………



なんとも憐れな上郡であった。
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