チャラい×真面目=事件!?
「そう…ですね。これで猫笹街狐さんも少しは浮かばれますね。」



「そうだな。」



理不尽に命を奪われた人間にとって何が一番の供養になるか分からないが、出来ることを精一杯やった結果だ。


似顔絵のお礼も兼ねて犯人逮捕を鶇に報告した時、涙ながらに感謝を告げられたのには少し焦ってしまったが、一番ホッとする瞬間でもある。



「あの……向鼠くんがナイフを所持していた理由って分かりました?」


「ああ。本人は護身用って言ってたけど、絶対街狐を殺る為だぜ、あの言い種は。」



警察官である向鼠がナイフを所持していた理由は素人の様にありきたりであったが、襲われてもいないのに刺したのは逃れられない事実。


凶器を鉄パイプからナイフにしたのも、確実に殺す為の行動なのは明白である。



色平への殺人を否定しても通らないだろうと、警察は色平に対しての殺人未遂容疑でも近々再逮捕をする方針だと上郡は付け加えた。



「あ、亥植がかなりへこんでたぜ。自分が病院と部屋漏らしたせいだって。」



見舞いに来ても、遠くから見ているだけだった亥植の姿を思い出す。
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