チャラい×真面目=事件!?
「猫の鳴き声からですよね。猫はミャーと鳴くから。」



「……………。なんで?なんでみんなあっさり解るんだよ!俺、理由聞いて感心してたのに、さみにバカにされてさ!そしたら、戌籏さんも午戸兎さんにもそれくらい分かるとか言われて。なんで俺だけ分かんねーんだよ……」



「えっと…………」



一人で捲し立て、一人で落ち込む上郡。


所詮中学生が考えたあだ名。

大人になれば簡単に分かる。



それを分からなかった上郡に、何を言っても落ち込ませるか貶すかのどちらかになってしまいそうで、色平はかける言葉が見付からない。



「き、気になる、といえば……どうなったのですか?私を助けてくれた時のワゴン。音からしてかなり破損していたと思うのですが。医者や看護師の方々は何も言ってなかったので。」



苦肉の策で、色平は話題を変えてみる。


なんだか、本題から変えてばかりだ。



「あ―あれね…。問題ない、大丈夫だから。やむを得なかったし。」



事情が事情の為、病院側の厚意により自腹は免れた。


上郡は話ながら蠍髪にからかわれたのを思い出し、若干げんなりした。
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