チャラい×真面目=事件!?
「(とにかく、午戸兎さんに連絡しないと………)」



携帯を取り出して、午戸兎の電話番号を表示しようと視線を下に落とす。




その時、背後から照らす月明かりが『何か』に遮られる。



「ぃ゛っっ………――!!!」



『何か』に振り向きざまに硬い物で左前頭部を殴られ、弾みで手から携帯が飛び暗闇に消えた。


衝撃でよろけた為、右脇の資材に突っ込む様にぶつかり資材の金属の音が派手に響き渡った。



「フル…フェイス………!!」



遮った『何か』は、追っていたはずの、フルフェイスの人影だった。



殴ったであろう鉄パイプはフルフェイスの人物の手から離れ、血が付いた状態で視界の左端にあった。



「なっ…………!!」



鉄パイプを見た一瞬の間にフルフェイスの人物の右手にはナイフが握られている。


次の瞬間には、フルフェイスが目の前にあった。
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