チャラい×真面目=事件!?
「ぐっっつっ………――――」



脇腹に刺さったナイフをフルフェイスごと右方向へ振り払う。



「(と、に、かく…逃げ、ないと………)」



渾身の力で振り払った為、フルフェイスの人物は散らばった資材に突っ込み倒れ込んだ。



殴られ刺され、応援も呼べない状態では取り敢えず安全を確保しなければならない。



フルフェイスの人物が倒れ込んだ方向とは逆、つまり左方向へと歩みを進める。


左方向にはもう一つあるのか、入って来たところと同じ様な扉があり開けっ放しのそこからは外にある生い茂る草木が見える。




ただ殴られた頭と立て続けに刺された脇腹からは血が溢れ、歩く度に血溜まりが出来ていた。



急ごうとするものの、脳震盪と大量の出血の為に視界は揺らぎ、足元は覚束ない。





やっとの思いで辿り着いた倉庫の外。


月が雲に隠れる寸前、背後に『追い掛けてくる人の気配』。



気配に気を取られ、気付かなかった。



後退りした場所に、地面が無いことに……………
< 8 / 73 >

この作品をシェア

pagetop