キミのとなり


亜嵐Side



俺はフラれる覚悟で想いを伝えた。
でも夢希から伝えられた言葉は、



"少し時間くれませんか?"



信じられなかった。だからつい
強がってしまい、



「なんでだよ、お前に好きな奴
いる事くらい俺にもわかる。だから
俺をかばおうとしなくてもいい。
傷つくとかそーゆーの考えなくて
いいから、無理すんなよ。」



そう言ってしまっていた。
すると夢希は、



「無理なんてしてない!!!!ただあたしの事
ずっと前からそんなに真剣に想って
くれてたんだなって、ちゃんと見てて
くれてたんだなって思って…。グスッ
私は好きな人に対してそこまで真剣に
考えたことなんてなかった。ただ、
なんとなくずっと一緒にいるから好き
って思ってて。それにその人には私、
亜嵐に相談してるようなこと言えないの。
何かあった時にすぐ相談にのれたのは
亜嵐だった。だから亜嵐の気持ちは凄く
嬉しくてすぐに答え出したいんだけど、
頭が混乱しちゃって…。」



夢希は涙を沢山流しながら俺に
必死に想いを伝えてくれた。
俺は我慢できずに夢希を抱きしめ



「わかったよ、だからもう泣くな。
辛かったな、ごめんな。
俺への返事はいつでもいいから、
お前が納得いくまで何回でも考えて
整理すればいい。焦る必要はない。
俺じゃないなって思ったら好きな奴、
飛雅の所いけ。な?」



「…あたしの好きな人知ってたんだ。」



夢希は少しびっくりした表情をしていた。



「お前の考えてることは分かるよ。
言っただろ?1年の時から見てるって。
無理してる時も元気ない時もおれには
全部全部お見通し。ほら花火始まるぞ!!
飛雅と約束してるんだろ?行ってこい!!」



「うん!!亜嵐いつもありがと!!」



そう言って夢希は行ってしまった。
本当は一緒に見たかったし、飛雅の所に
行かせたくなかった。でも俺は、
夢希に気持ちを伝えられただけでも
充分なくらい幸せだった。



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