キミのとなり



飛雅Side



俺はずっと夢希の好きな人は
亜嵐だと思ってたのに…。


「…。じゃあ誰なんだよ。」



「それは…」



「何だよ。幼馴染みのくせに
隠し事はなしな。」



「じゃあ飛雅から教えてよ。」



「なんだよそれ、ズルイだろ。」



「だってもう告白しないんでしょ?
だったら教えてくれてもいいじゃん!!」



「いや…俺告白するよ?」



「…え?でも告白タイム終わってるよ?
だったらほら、早く行かなきゃ!!
誰かに取られるかもしれないよ??」



「…お前さ、ほんと鈍感すぎんだよ。」



「…え?」



俺はいてもたってもいられず
夢希を抱き寄せていた。



「ちょっと、飛雅、あの。」



「分かってる。もう手遅れな事くらい。
でも言わせて。俺ずっとずっと
夢希の事しか見てなかったんだよ。
お前の事ずっと好きだったんだよ。」



すると夢希は



「あたしだって!!ずっとずっと
飛雅の事しか見えてなかったよ。
でも…」



「分かってる。今のお前には亜嵐しか
うつってない。先越されたな。」



「ごめんなさい。あたしなりに
ちゃんと考えた。あたしと飛雅は
ずっと一緒にいるから、それが
当たり前だったからあたしは飛雅しか
見てこなかった。でもそれは好きとは
違って幼馴染みとしてだったんだ。
あたしが飛雅の前で素でいられるのは
家族同然の存在だから。恋人以上の
家族なんだよ。」




そう、夢希は涙を流しながら
俺の腕の中で言ってくれた。
それが俺はたまらなく嬉しかった。
そこまで考えてくれている夢希が
とてもいとおしく思えた。



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