甘党オオカミくん
あれ?
あれれ?
なんだかびみょーに話が噛み合ってない気がする。
仮名くんが女、なんて思ってないけど…なんでそんなことに?
言葉の意味がわからず首を傾げていると、突然仮名くんが笑いだした。
「あははははっ!!そうか、オレがタルトを作ったとは思わなかったんだ!!」
へ…?
タルトを作った?仮名くんが??
「ええええええっ!?」
嘘でしょーーーー!!
箱をつかんで覗きこんだ私の目に映ったのは先ほどと変わらない艶のある美味しそうなタルト。
少し小振りなイチゴが「さあ、食べてくれ」と言わんばかりにまぶしく照りかがやいている。
こっ、これを仮名くんが!?
なに、この完成度の高さ!!
まるで売ってるものみたいなんですけど!!
信じられない面持ちでつい仮名くんを凝視してしまった。