甘党オオカミくん
一口食べたとたん、仮名くんは眉間にシワをよせ難しそうな顔をした。
「うーん、これは…個性的な味と表現したらいいのか…それとも…ハッキリ言うべきか」
感想を言おうとしていたのだろうけど、首を傾けながらどうコメントしたらいいか悩んでいた。
まぁ、すぐにはコメントできないくらいにはマズかったってことだよね。
それは作った私ですら思ったことだ。
「えーと、そうだな。まずなんでこうなったかの経緯をきこうか。分量はきちんと量ったのか?」
感想を言うことを諦めたのか、仮名くんは私の手順の確認を始めた。
どうやら私のマフィンはコツを教えるだけでは改善が図れないレベルらしい。