甘党オオカミくん
なんでそんな顔するかな。
抱きしめてるだけじゃ我慢できなくなるじゃないか。
まあでも人目がある以上、何かするわけにも……いかないし。
そんな俺の胸中を知るはずのない愛美はチラリと上目づかいに俺を見た。
ー…っ、かわいすぎるんだけど。
なに、この生き物。
なんなの、俺をどうしたいわけ?
暴走してもいいと思ってるの?
破壊力抜群の顔を向けられて俺の鼓動が激しく脈を打ち、体温を上昇させる。
愛美はそんな俺を見て何かに気がついたようにゴソゴソと何かを探し始めた。
「…?なにしてんの…」
「アメを取りたいんだけど…」
アメ?
今の状況でアメ?
「…アメ?なんで?」
愛美の行動が理解できず、俺は首をかしげながら尋ねる。