甘党オオカミくん



「だって…とーや、甘いものが欲しいんでしょ?」



は!?
…なんでそーなる。
この状況で甘いもの欲しいとか思うわけないでしょ?


気持ちが顔に表れていたのか、愛美はきょとんとした顔で俺を見つめてくる。

あれ?私何か間違った?とでも言いたげだ。


…………はぁ。
ニブいにもほどがあるんじゃないの?

…わかったよ。
そんなに言うなら甘いものをもらってあげる。

ただし、アメじゃなく…


―その甘そうな唇を…もらってやる。



「うん…そう」



俺はふっと笑うと愛美の瞳を見つめる。



「でも…俺はアメじゃないものが欲しいんだけど…?」



「アメじゃないもの?」



「そう、愛美からの…」



顎を上向かせながらそう言うと、愛美がハッとした顔をした。

さすがの愛美もここまですれば、俺が何を欲しいのかわかるよな?



< 49 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop