甘党オオカミくん
「だって…とーや、甘いものが欲しいんでしょ?」
は!?
…なんでそーなる。
この状況で甘いもの欲しいとか思うわけないでしょ?
気持ちが顔に表れていたのか、愛美はきょとんとした顔で俺を見つめてくる。
あれ?私何か間違った?とでも言いたげだ。
…………はぁ。
ニブいにもほどがあるんじゃないの?
…わかったよ。
そんなに言うなら甘いものをもらってあげる。
ただし、アメじゃなく…
―その甘そうな唇を…もらってやる。
「うん…そう」
俺はふっと笑うと愛美の瞳を見つめる。
「でも…俺はアメじゃないものが欲しいんだけど…?」
「アメじゃないもの?」
「そう、愛美からの…」
顎を上向かせながらそう言うと、愛美がハッとした顔をした。
さすがの愛美もここまですれば、俺が何を欲しいのかわかるよな?