甘党オオカミくん

ふわふわな髪を上下させながら小動物のようにチョコチョコと歩いている愛美はこちらに気づいてはいない。



「ちょっと…待ちなよ」



俺は腕を出してその行く手を阻み、壁と俺の間に愛美を閉じ込める。


愛美と俺の身長差、約30センチ。


愛美が俺の顔を見ようとすれば必然的に上目遣いになる。


それだけでも俺の心臓が騒ぎだすくらいカワイイっていうのに。


愛美は甘く柔らかな笑みを浮かべながら俺の名前を呼んだんだ。


それがどんな破壊力を持っているかなんて愛美は知らないに違いない。


触れたら壊れてしまいそうなきめ細かいメレンゲのような肌にリンゴ色にわずかに染まった頬、まるでナパージュをかけたみたいに艶のあるさくらんぼ色の唇…。



ーいますぐ食べてしまいたい。



俺の中の狼が顔を出す。
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