甘党オオカミくん



「はぁ。わかったよ」



「ほんとっ?」



「ああ。だけど、オレにできるのは改善するところを言うことだけだ」



それでも十分。
どこが悪いのか教えてもらうだけでも助かる。

そうしてもらえたら、少しずつだとしても上手くなると思うから。



「ありがとう!!」



「そんじゃな」



仮名くんは背中を向けて歩きだした。



「え?今日のマフィンの改善点は?」



去っていく背中に呼びかけると、仮名くんは首を少し後ろに傾けてにこちらを見た。



「ぜんぶやり直し!!それと、教えてもらいたいならもっと早く来い!!」



仮名くんはそう言うと校舎の中へと消えていった。

同時に始業を知らせるチャイムが鳴り響く。


あ。
早く来いってこういうことか。
校舎の中に入ったってことは、授業に出るんだよね。
…意外とまじめなのかな。

…って、ボンヤリ考えてる場合じゃない!!
私も授業に行かなくちゃ!!


私は焦げたマフィンを紙袋にしまうとバタバタと教室に向かった。



< 63 / 63 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

婚約者は高校生

総文字数/48,367

恋愛(ラブコメ)103ページ

表紙を見る
薬品と恋心

総文字数/136,048

ファンタジー421ページ

表紙を見る
気になるあの子は高校生 ~奪われた恋心~

総文字数/3,237

恋愛(ラブコメ)9ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop