一人じゃんけん
五節 苛々
それから一週間経っても二週間経っても、紅子ちゃんに貸したCDが返ってくることはなかった。
私はついに、紅子ちゃんを問い詰めることにした。
「紅子ちゃん!」
隣のクラスのドアを勢い良く開けて、大声で呼ぶ。
「紅子ちゃんならトイレに行ったよ?」
紅子ちゃんの友達、麻音ちゃんが言った。
「そうなんだ、ありがとうっ!」
お礼を言って、トイレへ直行。
中から、話し声が聞こえる。
紅子ちゃんとその友達がしゃべっているようだ。
早速声をかける。
「紅子ちゃ――」
「――これ欲しかったCDだよね?」
え?
それ、私のCDじゃ――
「あっうん、これ欲しかったんだ!」
「じゃあさ、あげるよそれ」
「いいの!?」
何言ってんの――?
「いいよいいよ、どうせもういらなかったし――」
「はぁ!?」
私は耐えられなくなり、声を出した。
紅子ちゃん達が振り向く。
「紅子ちゃん……それ私のCDじゃん!」
「――え、ど、どういうこと?」
状況が掴めなくて慌てるその友達をよそに、紅子ちゃんは――口角を上げて、にやりと笑みを浮かべた。
私はついに、紅子ちゃんを問い詰めることにした。
「紅子ちゃん!」
隣のクラスのドアを勢い良く開けて、大声で呼ぶ。
「紅子ちゃんならトイレに行ったよ?」
紅子ちゃんの友達、麻音ちゃんが言った。
「そうなんだ、ありがとうっ!」
お礼を言って、トイレへ直行。
中から、話し声が聞こえる。
紅子ちゃんとその友達がしゃべっているようだ。
早速声をかける。
「紅子ちゃ――」
「――これ欲しかったCDだよね?」
え?
それ、私のCDじゃ――
「あっうん、これ欲しかったんだ!」
「じゃあさ、あげるよそれ」
「いいの!?」
何言ってんの――?
「いいよいいよ、どうせもういらなかったし――」
「はぁ!?」
私は耐えられなくなり、声を出した。
紅子ちゃん達が振り向く。
「紅子ちゃん……それ私のCDじゃん!」
「――え、ど、どういうこと?」
状況が掴めなくて慌てるその友達をよそに、紅子ちゃんは――口角を上げて、にやりと笑みを浮かべた。