一人じゃんけん
六節 役者
「だって長尾がいろいろ言ってたじゃねーかよ!」
男子が反論する。
「言ってただけで、私は悪くないし!」
事情をよく知らない奴に、どうこう言われたくない。
「っていうか謝れよ」
「は、何で? 誰に?」
「泣かしたじゃねぇかよ」
「あっちが勝手に泣いただけ」
「は、てめぇふざけんなよ?」
男子が私に近付く。
私は数歩後退りながらも、強く睨む。
「っていうかあんた、紅子ちゃんのこと好きなの? 必死になっちゃって、かーわいい」
にやりと笑ってそうからかってみる。
「――っんな訳無いだろ! いい加減にしろよ!」
「きゃ――」
想定外の出来事だった。
男子が直接攻撃を仕掛けるなんて。
男子は私のお腹目がけて蹴りを放った。
私はそれを華麗に避ける――筈も無く、直撃した。
「痛っ」
衝撃に耐えられなくて、体をくの字に曲げて座り込む。
あり得ない……普通このくらいで女子に手を出す!?
私は男子を睨み付ける。
「何だよ、俺は悪くねぇから」
男子が反論する。
「言ってただけで、私は悪くないし!」
事情をよく知らない奴に、どうこう言われたくない。
「っていうか謝れよ」
「は、何で? 誰に?」
「泣かしたじゃねぇかよ」
「あっちが勝手に泣いただけ」
「は、てめぇふざけんなよ?」
男子が私に近付く。
私は数歩後退りながらも、強く睨む。
「っていうかあんた、紅子ちゃんのこと好きなの? 必死になっちゃって、かーわいい」
にやりと笑ってそうからかってみる。
「――っんな訳無いだろ! いい加減にしろよ!」
「きゃ――」
想定外の出来事だった。
男子が直接攻撃を仕掛けるなんて。
男子は私のお腹目がけて蹴りを放った。
私はそれを華麗に避ける――筈も無く、直撃した。
「痛っ」
衝撃に耐えられなくて、体をくの字に曲げて座り込む。
あり得ない……普通このくらいで女子に手を出す!?
私は男子を睨み付ける。
「何だよ、俺は悪くねぇから」