一人じゃんけん
 これって行った方がいいのか……?

 時刻は二時半。
 予定を一時間半も過ぎていた。


 チャラリ〜♪


 迷っていると、唯からメールが入った。
 メールにはたった一文、


『三分以内に来い』


 と書かれていた。


「…………ムリだろ!?」

 まだ何も準備していないし、そもそも時計台まで五分はかかるっつーの!
 テレポートでもしろと!?

 ああでもこうなったら行かないと……!

 結局、俺はマッハで用意をして待ち合わせ場所へ向かった。






「超遅いんですけどー!」


 俺が時計台の前に着いたのは、結局あれから十分後。

 時計台の前には、かなり不機嫌そうな顔をした唯の姿が。

「……悪い」

 唯に謝るのは癪だが、約束を忘れて大遅刻したという点では俺に負がある。

 最もこれは、半強制的に決められた約束だが。
< 38 / 66 >

この作品をシェア

pagetop