一人じゃんけん
三節 夜中
夜、夢の世界に浮遊していた俺は、何かの物音で目を覚ました。
――って俺、いつの間にか寝てたのか。
目を擦りながら枕元の時計を確認すると、深夜二時。
道理で真っ暗なわけだ。
「ふぃっ……しゅくっ!」
誤解しないでほしい。
今のはただのくしゃみである。
俺は再び布団を被った。
「――きゃっ!」
「!?」
俺は無意識に体を起こした。
今、確かに「きゃっ!」という叫びが聞こえた。
菜々未の声だった。
こんな深夜に、まだ起きているのか?
そういえば、先程の物音は何だったんだ?
今の小さな悲鳴は――?
俺の脳が、危険信号を知らせる。
もしかして、菜々未に何か――いや、まさかな。
やっぱり見て来た方が――いや、きっと何でもないよな。
そんな考えを巡らせているうちに、見てくれば早いことだと気が付いた。
少しの迷いと緊張と不安を胸に、俺は部屋を出た。
菜々未の部屋の前まで来て、ドアに耳をくっつけると、微かに声が聞こえてきた。
「――でも?」
よく聞こえないな。
「……ん」
「じゃあ………や紅子ちゃん」
「……に?」
「うん…………」
「……ったわ、じゃあね」
何だ…………?
――って俺、いつの間にか寝てたのか。
目を擦りながら枕元の時計を確認すると、深夜二時。
道理で真っ暗なわけだ。
「ふぃっ……しゅくっ!」
誤解しないでほしい。
今のはただのくしゃみである。
俺は再び布団を被った。
「――きゃっ!」
「!?」
俺は無意識に体を起こした。
今、確かに「きゃっ!」という叫びが聞こえた。
菜々未の声だった。
こんな深夜に、まだ起きているのか?
そういえば、先程の物音は何だったんだ?
今の小さな悲鳴は――?
俺の脳が、危険信号を知らせる。
もしかして、菜々未に何か――いや、まさかな。
やっぱり見て来た方が――いや、きっと何でもないよな。
そんな考えを巡らせているうちに、見てくれば早いことだと気が付いた。
少しの迷いと緊張と不安を胸に、俺は部屋を出た。
菜々未の部屋の前まで来て、ドアに耳をくっつけると、微かに声が聞こえてきた。
「――でも?」
よく聞こえないな。
「……ん」
「じゃあ………や紅子ちゃん」
「……に?」
「うん…………」
「……ったわ、じゃあね」
何だ…………?