「優しいキミが、私は嫌い」
なんで今日、こんなに関わってくるんだろう。
私は機嫌がいい訳じゃないのに。
むしろ、今は香川と一緒に居たくないんだけどな。
「……なに、」
『好きだ』
その言葉にまた、心臓がドキッと音を立てる。
私だって好きだ。そう言えたらいいのに。
どうやっても信じられなくて、そんなこと言えない。
「……私は、あんたのことなんて嫌い」
(優しいキミなんて、嫌い)
また心にもない言葉が口から出る。
……天邪鬼。