恋は偶然と必然の名のもとに
 わたしが通っていた高校は私立で美大付属の女子校だった。

 どうしてそんなガッコウを選んだんだの?って聞かれたら、単純にラクガキを描くのが好きだったから、とか、そんな曖昧な答えしか思い浮かばない。

 でも実際、美術専門の学校へ行ってみれば、”ラクガキ”を学ぶ、なんていうことはモチロンなくて、リンゴや石膏像のデッサン、デザインによる構成画など、おおよそラクガキなんてものとは程遠いような、学問としての”絵”を描くことになった。

 自由に、好きなように絵が描けるモノと思い、進路の選択をした3年前の中学生のわたしには、そんなことは知りようもなかった…のだった。

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