天国から君へ〜大好き〜
どれぐらい、走ったんだろう。
フラフラになって、もう正直進めない。
目にたまった涙はここまで来て、やっとほおを流れ落ちた。
やっぱり、私じゃダメなんだ。
私、なんかじゃ・・・。
後から後から涙があふれてきて。
スカートに、きたないしみをつくる。
「ライ、なんで・・・?」
そうつぶやいた、その瞬間。
「パーーーーーー!!!!」
どこからか、クラクションの音がして。
身体が、宙を浮いた。
目の前には、茫然としているライの顔。
それをぼんやりとみていると、意識がだんだん薄れていくのがわかった。
「ら、い・・・。」
涙が、頬を伝う。
ライを守れて良かった。
ライのそばにいられて、よかった。
「だい、すき・・・。」
たとえそれが、フラれた後だとしても。
私は半狂乱になっているライのうでのなかで、意識を失ったのだった。
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