天国から君へ〜大好き〜
「何をすればいいか、ですか?」
「はい!!」
「では・・・、転生することですね。」
・・・はい?
聞き覚えのない言葉に、首をかしげる。
すると、モランボンさんがわかりやすく説明してくれた。
「つまり、生まれ変わるということです。
申請所にいき、渡された紙に名前をかくだけなので、簡単ですよ。」
ふむふむー・・・って、え?!
納得しかけたけど、寸前でハッとした。
「それって・・・?」
「はい、申請が認められた瞬間、生前の記憶はすべて消え去ります。」
そんな・・・。
それは、あまりに残酷なことで。
私は言葉を失い、うつむいてしまう。
モランボンさんも悲しそうに眼をふせながら、話を続ける。
「ときどき記憶がうまく消えず、前世の記憶をもったまま転生する方もいらっしゃいますが・・・。ほとんどの方の記憶は、完全になくなります。」


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