肥山君がかっこよすぎて辛いんですが!!
あれからどのくらい時間がたったのだろう。




そろそろ帰らなきゃ。




2時間ほど、頭が真っ白だった。




部活動生もちょこちょこと帰ってる声が外から聞こえる。





門を出る。




はぁーあー




最近私が私じゃない気がする…




いつもきゃはきゃはしてる私が




こんなにも深く考えるなんて。




すると後ろから




「未苑?」




「…」





そこには肥山君がいた。




なんで?




帰ったんじゃなかったの?




それに今はいつもみたいに肥山君、って叫ぶ気が無いよ…




「日高からLINE来たよ…」




「え…」




「…ごめん。…マジで」





「へ?」




「助けてあげられなくて」




肥山君…よくよく見たら汗かいてる?




走ったの?




もしかしてわざわざ家から学校に来てくれたの?




なんでそんなこと…




日高君に言われたからって…




「ごめん」




「どうして肥山君が謝るの?」




「俺が悪いから」





「え?」





どういうこと?




「梓の仕業だから…」





「…そう、…」




そうだ、思い出した。




あの男子3人は確か梓ちゃんと一緒にいた人だ。





「あんたを傷つけた。本当に俺…」





「ううん。もういいんだよ」




「…」





「私は大丈夫だから!」




「…俺が無理」




「なんでよー」




私は肥山君に安心してもらいたくて笑った。





だけど本当は怖くて、




肥山君に助けてもらいたくて。





でも、これ以上言ったら肥山君はきっと自分を責めちゃうから。




今日の事は無かった事にしよう。




それでいいじゃない。




「別になんでも」




私は肥山君と隣に並んで歩いた。




それだけでさっきあったことが無かったかのように舞い上がる私。





それでいいんだよね。




だって誰も傷ついてないんだから。




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