君の全てを誰よりも愛そう
「高木~、お前なんか変だぞ」
大学で経済学の講義中、隣から声がとんできた。
「そんなことねーよ?」
あー・・。
なんかぼんやりと紗絵のこと考えてたな、俺。
「そうかぁ?な、今日さ合コンきてくれよ!お前が来れば隣の女子大の子が参加してくれるって言うんだよ~!な、頼む!!このとーり!」
こいつは田中、高校の時からの友人だ。
大学入学と同時にチャラくなり、せっせと女漁りに励んでいるらしい。
合コンなんて俺にとっては時間の無駄。
金にならないどころか金が飛んでいく。
今はそんな無駄遣いしてる場合じゃねーし。
「パスだパス、今は興味ねーんだ」
「お前それでも男かよ~、マジ頼むよ!カワイイって評判なんだって隣の女子大!」
「今日もカフェのバイトはいってるし、やらなきゃいけないことあんだよ。パス」
こんだけ断っても田中に俺の気持ちは伝わらず、何故か5分だけと強引に約束させられてしまった。
どうやって逃げようか・・。