君の全てを誰よりも愛そう
深まる愛と最強恋敵
「んー!似合ってんな、制服」
紗絵と付き合い始めてもうすぐ2年。
紗絵は今日から高校生になった。
「コウくん、今日講義ないの?」
「卒業出来ればいーんだよ、もう四年だし。ってか紗絵の入学式行かないわけないだろ?」
紗絵は中学卒業と同時に家を出て一人暮らしを始めた。
紗絵の両親は生活費と学費を自分で支払うという条件で一人暮らしを認めたらしい。
っていっても、俺は心配なわけで。
俺と同じアパートの1階に空きが出たから、そこに入居ってカタチにしつつも紗絵は俺の家でほとんど生活を送ってる。
アパートの1階に一人暮らしとか・・絶対反対だし。
女の一人暮らしっていう時点で気が気じゃないのに。
だから公に同棲ってことには出来ないから部屋借りてるってわけだ。
「あれ、ネクタイってどうやるんだっけ・・」
「ん、おいで紗絵」
中学まではリボンだった紗絵にとってネクタイは馴染みがないらしく、苦戦中。
「この制服かわいーよな、全体的に青っぽくて」
「Yシャツも青でスカートも青チェックだし、公立なのにすごいよね!ちょっとお気に入りなんだぁ」
紗絵の後ろから腕を回してネクタイを結んでやる。
あー・・抱きしめたくなるな、これ。
さすがに中学生の紗絵を抱くことに罪悪感がありすぎてキスどまりの俺たち。
高校って、解禁してよいものだろうか・・。
「ん、出来た!」
「ありがとう!・・・・そろそろ時間だね」
ちょっと不安そうな紗絵。
「どした?あんま行きたくない?」
「・・・友達出来るかなぁ」
紗絵はそれが心配だったのか。