君の全てを誰よりも愛そう




そういえば中学ではなかなか友達作れなかったみたいだな。


家庭の事情で休みがちってのもあったんだろうけど。



「大丈夫だ。学校だってちゃんと毎日通えるんだし、高校って色んな行事あるから仲良くなるチャンスもあるぞいっぱい」



楽しい学校生活になるといいな。



「私、がんばってみる」

「ん、えらいじゃん。家に帰ってくればいつでも俺がいんだから、のびのびやってこい!」



何かあったって、絶対に一人にしたりしない。


だからやりたいようにやればいいんだ。


俺が紗絵の居場所になってやるから。



「写真とったら行くぞ!入学式~!」

「コウくん目立ちそうだね、若いから」

「気にすんな~、入学式の日は終わったら保護者と帰るんだろ!?俺と一緒に帰ろう」

「コウくんは保護者じゃないもん・・・」



ちょっとイジケ顔の紗絵。



「はは、そうだな。保護者はこんなことしねぇし」



紗絵のネクタイをクイッと引っ張って軽めのキス。



「ズルい~・・」

「いまだに真っ赤だな、紗絵」



キスをすると紗絵は必ずといっていいほど真っ赤になる。


紗絵がこんなだから大人な感じのキスも数回しかしたことなかったりして・・。


でもいいんだ。


傍にいるだけでかなり幸せを感じることが出来るから。


とはいえ、やっぱこう・・もうちょい先に進みたい気持ちがないわけではないけど。













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