君の全てを誰よりも愛そう
「新入生入場です」
体育館中に響きわたる拍手。
ぞろぞろと入場してくる新入生。
なんか・・みんな幼いな~。
紗絵はやっぱり大人びてんだな、うん。
「紗絵一番かわいーな・・!」
って・・ん!?
紗絵がニコニコと隣の男と話してる。
さっそく友達か!?
「なかなか爽やかな少年だな・・・」
って男じゃねーか!
び、微妙な気持ちだ。
友達つくるのはいいことだし、応援してる。
けど、忘れちゃいけなかったんだ。
高校のヤロー共は飢えた狼だってことを。
別に紗絵に告白してるわけじゃないし!彼氏の余裕ってやつをだな・・。
って入学式そうそう恋には発展しないだろう。
「新入生、退場」
なんて色々考えてたら終わった入学式。
ぞろぞろと体育館から出ていく新入生。
こんなにたくさんいるんだから紗絵が俺に気づくわけねーか。
とか思いつつカメラを構える。
「お、気づいてたのか」
デジカメの液晶に映した紗絵とやたら目が合うと思ったら、勘違いじゃなくてこっちをみて笑ってる紗絵がいた。
・・・やっぱ一番かわいい。