君の全てを誰よりも愛そう


「仁さん、戻りました」



裏口から紗絵をつれて店内に入る。



「おう!ありがと・・なって・・・」

「紗絵、ちょっとここ座ってて」



とりあえず事情を説明しなきゃと思って紗絵を事務所の椅子に座らせて、仁さんを厨房に連れ出した。



「あの女の子、誰だ?」

「実は・・」



事の一部始終を話せば仁さんは理解してくれて



「もしかしたら、育児放棄の家かもしんねぇな・・・。こんな深夜に外にほっぽっとくわけにもいかねぇし、今日はここで預かるか」



そんなことまで言ってくれた。


本当、優しい人だな。



「でも万が一、あの子が家出娘だった場合は・・わかってんだろうな?」

「は、はい・・」



全て俺の責任ってことです・・よね?ははは。


でも紗絵はそんな子にはみえないし、とりあえず信じよう。


そもそも男の従業員しかいないこのカフェに中学生の女の子連れてきちゃって、むしろ紗絵の方がビビってるんじゃねぇかな。



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