腹黒王子様とお見合いした結果


さっきまでスーパーではしゃいでいたとは思えないくらいの冷静さ。
ちゃんと大人なんだと改めて実感。そして安心。


「そうか。それでそっちの方はどうだ?」

「それが..」

かすかに聞こえる、女の人の声。

嫌でも分かる。この前の女の人と同じ声だ。



「分かった、後はそっちに任せる。俺は今日出社する予定はないからな」


そう言うと、陸人さんは電話を切った。そして再び私の手を握る。


「電話、終わったんですか?」


「ああ」


どきどきしてる。目を合わせられない。
どうしよう、訊いてもいいのかな?

「陸人さん、あの」

「ったく九十九のやつ、俺が今日休みなのを知っててわざと電話してきやがって」

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