腹黒王子様とお見合いした結果
そのまま宝生君は部活へ。
私と昌ちゃんはちょっと寄り道をしようって事になって
おなじみのカフェに向かった。
それぞれが注文を終えて席に着くと開口一番質問されてしまった。
「千草、中条陽の事、大丈夫なの?」
「うん..あれから何もないし。多分大丈夫だと思う」
「ならいいんだけど。孝大ってば中学で一度中条陽と試合したことがあるとかで
話が合っちゃってさ」
「中条君って、高校でサッカーやっていないの?」
「うん、どうやら辞めたみたいよ、孝大曰く、サッカーセンスもあって、本当は
他校からサッカーの推薦の話もきてたみたいだけど。直前になって断ったらしいのよ」
「そう、なんだ」
「なんで断ったかまでは分からないけどね」
昌ちゃんは目の前にあったチョコドーナツを口に運んだ。
私もドーナツを一口かじる。
ほんのり甘くて、少しだけ苦いチョコレートの味。