腹黒王子様とお見合いした結果
隣の県までは高速道路を使って約1時間半。
それから下道を通って約1時間。
約2時間半も中条君と一緒なんだと思うと
…なんだか落ち込んでしまう。
「婚姻届、結局出したんだ」
ぽつりと小さい声で話すのは周りに聞こえないようにするためなのか。
私の耳元でそう言うと悪戯っぽく笑う。
この人に冗談も嘘も通じない、そう感じた私はとりあえず小さく頷いた。
「そんなに警戒しないでよ」
私の表情を見てとったのか、それでも楽しそうに私に笑いかける。
どうしてそんな顔をしていられるの?
「警戒、しますよ。あんなことされたら誰だって」
「せっかく忠告してあげたのにね」
「忠告?」
「あ、違うか。妨害の方が正しい?」
「それはあなたが悪いんじゃないですか?」
「敬語、やめようよ。僕たち、同級生だよ?
それに落とした君が悪いと思うけどね」
「それは、そうですけど」