腹黒王子様とお見合いした結果
私があんなにも悩んでいるというのもお構いなしに
どうして普通にしていられるんだろう?
「大丈夫だっ?さっき」
バスを降りようと先に進む私の肩を昌ちゃんがぽんっと叩いた。
きっと私が大きな声を出してしまったことを言っているんだと思う。
「うん、大丈夫…じゃないかもしれない」
これ以上は隠せない。
昌ちゃんにも知っててもらった方がいいかもしれない。
中条君の事だもん、昌ちゃん達に何かしないとは言い切れないし。
何かあってからじゃ遅い。
もしかしたら、もう隠せないところまで事態は
進んでいるのかもしれない。
私は今しか時間がないと思って、
バスを降りて部屋に行くまでの間に簡潔に今までの事を全部話した。
婚姻届を破かれてしまったこと。そしてさっきの中条君の発言も。
話を終えると昌ちゃんは大きく息を吐いて私を見る。