腹黒王子様とお見合いした結果
建設されたのはずいぶん昔らしいこの宿泊所。
だけれども最近耐震強度の関係で建て直したらしく、
どこを見ても綺麗だった。
昌ちゃんがもっと早く建て直しして欲しかったと
愚痴をこぼすくらい。
床も壁も全体的に木でできているんだけど
どこか高級感あって。
それなのに、この大自然の中での違和感はない。
ホールに向かうとすでにたくさんの人たちがいて。
私たちは宝生君を見つけて向かう。
やがて静かになったのを確認して先生が話を始めた。
「それでは本日から三日間、ここでお世話になるのだが
本日はここのオーナーでもあり、
この地区全体を取り締まっている方が来ているので
みなさんにご紹介します」
入ってください、と同時に女の子たちの声が騒がしくなる。
と、同時にまたも感じる嫌な予感。
「ねえ..私、一回しか見てないからよくわからないけどさ」
「…ああ俺も記憶力はあんまないから自信ないけどさ」
「「あれって、あの人って…」」